
給料はあなたの価値なのか――賃金と経済にまつわる神話を解く
ジェイク・ローゼンフェルド and 川添節子
この本について
「給料って、自分の価値そのものみたいに感じてしまう」とか、「評価制度の数字に振り回されてるだけじゃないか」とか、働きながらふと立ち止まってしまう瞬間ってありますよね。僕自身、給料が動くたびに気持ちまで揺さぶられてしまうタイプで、でもその理由をうまく説明できずにいました。 この本は、そういう“なんとなくのモヤモヤ”に輪郭を与えてくれます。たとえば、給与と自尊心が切り離しにくい理由や、最低賃金の動きが自分の給与にも波及する構造など、普段は見えづらい力学を具体的に描いてくれます。また、個人の実績を細かく測って給与に反映させる制度が、実は組織内の協力関係を壊すケースがあるという話も印象的でした。自分の努力が正しく評価されていない、という感覚がどこから来るのか、少し客観的に距離をとれる感じがあります。 さらに、過去の給与を初任給の参考にすることで差別を固定してしまう問題や、「技能だけで賃金は決まらない」という当たり前のようで見落としがちな視点も、今の職場の景色を少し違う角度で見せてくれます。給料が“個人の価値”ではなく、もっと大きな構造や力関係の中で決まっていると理解すると、無闇に自分を責めなくていいんだと思えるはずです。 職場の評価や給与に理由のないストレスを感じている人には、静かに効いてくる一冊だと思います。
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