
珍夜特急6―南欧・西欧―
クロサワ コウタロウ
この本について
仕事も環境も変わっていくのに、自分だけはあの頃から大して進歩していない気がする。年だけ重ねて、中身は19歳のまま止まっているような、置いていかれるような感覚。そういうモヤモヤって、ふとした瞬間にぶり返しますよね。 『珍夜特急6』を読んでいて刺さるのは、まさにその「変わらないままの自分」を、旅の中で著者自身が何度も見つめ直しているところです。華やかな出会いや景色の描写がある一方で、当時の自分から一歩も進んでいない気がすると正直に書き、それでも道は続いていく。読んでいるこちらも、派手なドラマじゃなくて、日常の延長にある“動けなさ”や“停滞感”をそのまま抱えていてもいいのかもしれないと思わされます。 効くのは、変わることを強制しない視点です。国境を越えるようにあっさり環境が切り替わる旅の描写とは裏腹に、気持ちは簡単には切り替わらない。そのギャップをそのまま書いてくれるから、自分が進んでいないように感じる時間にも意味があるのかも、と思える。そして、なんでもなく思えた過去の選択や、小さな置き土産みたいな出来事が、後になって“今の自分”に静かに効いてくる感じが、妙にリアルなんです。 「変わらないままの自分に、そろそろ向き合いたい人」に特に刺さると思います。旅の話ではあるけれど、読み終わる頃には、自分の足取りを少しだけ肯定したくなる一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの50%が集中しています。
読書の順序
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