
ファースト・プライオリティー (角川文庫)
山本 文緒
幻冬舎 / 2002-09-25
この本について
人間関係が長く続くほど、ふと「このままでいいんだっけ」と立ち止まる瞬間がありますよね。やらなきゃと思うことは山ほどあるのに、気力が追いつかない日もあるし、相手との温度差に気づいてしまうこともある。しかもその違和感って、誰かに説明しづらいからこそ余計に重たいんですよね。 『ファースト・プライオリティー』を読んで刺さるのは、まさにその“説明しづらい違和感”を、主人公の日常の細部から拾い上げてくれるところです。例えば、だらだら時間が過ぎるのに人生の大事な選択を考えきれない感じとか、夫婦なのに三カ月も身体の距離だけが先に離れていく感じとか、息子からの鋭い一言で自分がごまかしていた現実に気づいてしまう感じとか。誰かにドラマチックに救われるわけではないけれど、関心を向けてもらえない相手に自分だけが頑張り続ける虚しさを、丁寧に言語化してくれます。 読んでいると、主人公が「過去には戻れない」と受け入れつつ、自分が本当に向かいたかった方向に目を向けていく、その小さな舵切りが妙にリアルなんですよね。すぐに人生が変わる類の話ではないけれど、「なんとなく誤魔化してきた気持ち」を丁寧に整理したいときの支えになります。 自分の優先順位がうまくつかめず、家族やパートナーとの距離に悩んでいる人に特に刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第8章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの33%が集中しています。
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