
この本について
仕事でも日常でも、人の話し方に「なんでこの人の言葉は入ってくるんだろう」とか、逆に「自分の説明がうまく届かないな」と感じることがけっこうあります。話し方のコツを探そうとすると、どうしてもテクニック寄りの情報に流れがちですが、そもそも“話すってどういう行為なのか”を考える機会って意外と少ない気がします。 『落語の言語学』を読んで面白かったのは、落語や講談を「ハナス・カタル・ヨム」という行動の違いから読み解いていくところでした。講談はもともと“読む芸”で、修羅場の場面になると独特の調子になるのは、その名残だという指摘にハッとさせられます。話芸って個性とか才能で片づけがちですが、実は“どういう行為として言葉を使っているか”で見え方が全然変わるんだと気づかされました。落語のマエオキやオチの構造が、聞き手との距離感のつくり方として理解できるあたりも、この本ならではです。 話す場面で迷うことが多い人ほど、こういう視点は地味に効いてきます。テクニックではなく、言葉の行動そのものを捉え直したい人に刺さる本だと思います。
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