
江戸の卵は1個400円!~モノの値段で知る江戸の暮らし~ (光文社新書)
丸田 勲
この本について
最近、物の値段を見ても「高いのか安いのか、もう判断がつかない…」みたいな感覚になることが増えてきました。家賃も食費も上がっていくけれど、自分の生活が本当に“妥当”なのかは誰にも教えてもらえない。そんなモヤモヤを抱えたまま日々やりくりしていると、ふと「基準ってどこにあるんだろう」と思うんですよね。 この本が面白いのは、そういう感覚のズレを、江戸の暮らしという“時代の物差し”で測り直させてくれるところです。卵が一個四百円、米一升が千円超え、天明の飢饉では八千円…と、当時の相場がやたら生々しい数字で出てくる。しかも、ただ物価を並べるだけじゃなく、大工がどれだけ稼いでいたのか、長屋の大家がどう収入を作っていたのか、密通の慰謝料がどう扱われたかまで踏み込んでいて、「人は結局どう暮らしていたのか」が立体的に見えるんです。数字の向こうに、人の息づかいがある感じ。 読んでいて気づくのは、自分の生活だって“たまたま今がこういう相場なだけ”で、時代が違えばお金の流れ方も価値観もまったく変わるという当たり前のこと。その当たり前を体感として取り戻せると、今の値段に一喜一憂しすぎなくなるし、逆に「ここにお金が動いているのはなぜか」を冷静に考えられるようになる。僕はそれがけっこう心の負担を減らしてくれました。 歴史に強くなくても大丈夫で、「この世界の成り立ちを、もう少し複眼で見たい」という人にはかなり刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの46%が集中しています。
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