
神去なあなあ日常 (徳間文庫)
三浦しをん
祥伝社 / 2009-05
この本について
仕事のペースに追われていると、自分の感情の濁りに気づく余裕すらなくなることがあります。腹が立つ理由も、焦る理由も、結局は「情けない自分を直視したくないだけかもしれない」と思い当たる瞬間ってありますよね。でも、じゃあどうすればいいのかまでは分からない。そんなときに、この『神去なあなあ日常』の空気がふっと効いてきます。 読者が抜き出してくれた部分を見ていると、刺さっているのは「おっとりした人たちのリズム」や「あくせくしなくても木は育つ」という、余白のある暮らしそのものなんだろうなと感じます。山の中で季節が一気に切り替わる瞬間とか、地面がふかふかになる描写とか、ヨキが平地と同じペースで山を登っていく場面とか。どれも“こうあらねば”の気張りがほどけて、体の力が勝手に抜けていくんですよね。自分のペースを取り戻すって、こういう感覚だったなと思い出させてくれます。 この本が効くのは、無理に前向きになろうとしなくてもいいところです。村の人たちも完璧ではなく、噂話に救われたり、なあなあでやり過ごしたりして暮らしている。だから読んでいる側も、「頑張りきれない日の自分」をそのまま連れてきていい。現実にすぐ活かすというより、知らないうちに呼吸が深くなる感じに近いかもしれません。 こんな人に刺さると思います。気持ちばかり先走って、体がついてこない日が増えてきた人。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの39%が集中しています。
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