
哲学思考トレーニング (ちくま新書)
伊勢田哲治
筑摩書房 / 20250911
この本について
「相手の話がどうにも噛み合わない」「自分の中でも判断基準がブレている気がする」みたいな、小さな行き詰まりってありますよね。考えようとすると余計に混乱して、何を疑えばよくて、どこはそのまま置いていいのかもわからなくなる。僕自身、議論でも仕事でもこのモヤモヤによく巻き込まれます。 この本が面白いのは、哲学を“正しさを語る学問”としてではなく、“思考の扱い方を整える技術”として扱っているところです。たとえば「疑う技術」と同じくらい「疑わない技術が必要」と言い切る視点は、読んでいてかなり救われました。全部を疑い始めると前に進めなくなるけれど、文脈ごとにどこまで疑うか線を引けると、判断に無駄な力が入らなくなります。また、意見が噛み合わないときに「相手が論点を理解していない」のではなく、そもそもの文脈が違うだけかもしれない、と気づけるのも大きかったです。これを知ってから、議論の余計なストレスが少なくなりました。 クリティカルシンキングと聞くと固そうですが、この本は“どう考えれば少し現実が扱いやすくなるか”という実務寄りの視点が多いです。自分の思考のクセを見直したい人や、議論がしんどくなりがちな人には特に刺さると思います。
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