
ひきこもりはなぜ「治る」のか? ―精神分析的アプローチ― シリーズCura
斎藤環
この本について
人と関わるのがしんどい時期ってありますよね。誰かと話すだけで疲れるし、かといって一人でいると「これでいいのか」と落ち着かない。自信があるわけでもないのに、プライドだけが妙に残ってしまうあの感じに、どう向き合えばいいのか分からなくなることがあります。 この本が面白いのは、「ひきこもり=外に出ないこと」ではなく、「人との関係がどれだけ持てているか」を軸に考えるところです。抜粋にもありますが、少しでも家族以外との関わりがあればもうひきこもりとは呼ばれないし、逆に毎日外出していても関係がなければひきこもりになる。その視点に触れるだけで、自分がどこでつまずいていたのかが少し整理される気がします。 そしてもう一つ刺さるのは、「自信がないのにプライドが高い」という指摘を、責めるのではなく“自己愛の育ちの問題”として扱っているところです。自分をうまく愛せないからこそ、頼れるプライドにしがみつく。そう考えると、ただ行動を変えようとするよりも、安心できる関係を一つつくることの方がずっと大事に思えてきます。親密な関係といっても、肩肘張った特別なものではなく、「その人といるとそれなりに落ち着く」くらいでいい。その現実的なラインが、読んでいて救われます。 自分の閉じこもりやすさの正体を、もう少しやわらかく知りたい人に刺さる本です。
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