餓狼伝 : II (双葉文庫)

餓狼伝 : II (双葉文庫)

夢枕獏

累計読者数2
平均ハイライト数 2件/人
star総合評価 25/100
boltライト読書型

この本について

仕事でも趣味でも、周りがどんどん先に行っているように見えて、自分だけ同じ場所で足踏みしている気分になることがあります。特に「覚えるのが遅い」「飲み込みが悪い」と感じていると、努力していても報われていないように思えて、妙な焦りだけが残るんですよね。 『餓狼伝 II』のこの一節が刺さった人は、たぶん「遅い自分でも意味があるのか」という問いにずっと向き合ってきたのだと思います。作中で描かれるのは、天才の輝きに飲まれる凡人ではなく、遅いなりに噛みしめるように技を身につけていく姿で、その過程にちゃんと価値があるという視点です。覚えるのが遅いからこそ、一度つかんだものが深く残ること。理解に時間がかかるぶん、身体のどこかに沈んでいく感覚があること。そういう「遅さの強み」を物語の中で自然に体験できます。 この本は自己肯定を押しつけてくるタイプではなく、登場人物の不器用な成長を横で見ているうちに、自分の歩幅をそのまま受け入れられるようになる一冊です。天才の煌めきより、自分の積み重ねに意味を見いだしたい人に合うと思います。

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