
神話の力
ジョーゼフ キャンベル, ビル モイヤーズ, and 飛田 茂雄
早川書房 / 2010-06
この本について
日々の出来事に振り回されて、「自分はどこに向かってるんだろう」とぼんやり感じる瞬間ってありますよね。意味づけしようと頭を使いすぎて、逆に息苦しくなるというか。僕自身、特に仕事で判断が続く時ほど、世界の捉え方そのものが揺れてしまいます。 『神話の力』がおもしろいのは、そういう迷いに対して「こう考えろ」と押しつけてこないところです。神学でもイデオロギーでもなく、「私たちは踊るのです」という神道の話に象徴されるように、世界を説明する前にまず感じること。あるいは、英雄の旅の終わりは自己拡大ではなく、他者に仕えるための力を持ち帰ることだという指摘も、肩の力を抜かれます。自分の幸福を追っていいのに、それには覚悟もいるというバランス感覚もリアルです。 読んでいると、世界を神話的に見るということは、現実逃避ではなく、この「涙の谷」を歩くための視点の持ち直しなんだと腑に落ちてきます。意味を求めすぎて固まった心が、少しだけゆるむ感じがありました。日常に戻ったとき、自分の行き詰まりがどこにあるかを静かに見つめられるようになる本です。 「理屈だけではもう動けない」と感じている人には特にしっくりくると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第9章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの18%が集中しています。
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