
宇宙論と神 (集英社新書)
池内了
集英社 / 2014-02-19
この本について
ときどき、自分の悩みが「目の前の仕事」とか「人間関係」よりも、もっと根っこのところにある気がすることがあります。そもそも世界って何なんだろう、今ここに生きている自分ってどういう偶然の上に立っているんだろう、みたいなやつです。でも、こういう問いって日常の中ではうまく言語化できずに、ただ曖昧なモヤモヤとして残りがちなんですよね。 『宇宙論と神』は、そのモヤモヤにいきなり結論をくれる本ではありません。ただ、過冷却や相転移みたいな物理の現象を通して、「宇宙がここまで来た背景には、とんでもなく複雑で、でも確かに説明できるプロセスがある」という感覚を少しずつ取り戻させてくれます。真空がエネルギーに満ちているとか、インフレーションが偶然のゆらぎから生まれたとか、そういう話に触れていると、自分の存在もまた“たまたま宇宙の一つに生まれただけ”という視点が、なぜか怖さよりも落ち着きをくれるんです。 さらにおもしろいのは、物理学の話と神話の話が地続きで語られるところ。人類がずっと「世界の始まり」をどう理解しようとしてきたのかを辿ることで、いまの自分の問いもそんなに特別じゃないと思えてきます。答えが出なくてもいいから、問いを持ち続けていいんだと感じられる本でした。 自分の存在感覚がときどきぐらつく人に、静かに効く一冊です。
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多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの28%が集中しています。
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