
時間は存在しない
カルロ・ロヴェッリ and 冨永 星
NHK出版 / 2019-08-29
この本について
仕事でも生活でも、「今この瞬間」をどう扱えばいいのか分からなくなることがあります。将来の不安ばかり大きく見えたり、過去の出来事にずっと引っ張られたりして、時間そのものに振り回されているような感覚になるときです。そんなときにこの本を読むと、そもそも自分が前提にしていた“時間のかたち”が揺さぶられます。 この本が面白いのは、時間を否定するようでいて、むしろ「自分がなぜこう感じるのか」を丁寧に説明してくれるところです。たとえば、わたしたちの現在が“泡のような局所的なもの”でしかないという話は、誰かと分かり合えない感覚や、ものごとの進み方が人によって違う理由を別の角度から照らしてくれます。さらに、未来と過去の差が世界そのものではなく「わたしたちの見え方」によるという視点は、焦りや不安をそのまま“自分の性格”の問題として抱え込まなくていいと思わせてくれます。記憶が自分をつくるという説明も、過去に囚われる自分を責めるより、それが人間の仕組みだと受け止めやすくしてくれました。 物理の本ではあるのですが、読み進めるほど「世界の見え方を調整するための本」だと感じました。自分のペースで考えたい人、あるいは“時間に追われている感覚”を一度言語化したい人に刺さると思います。自分の視点がどれだけ世界を形づくっているのかを知ると、少しだけ呼吸がしやすくなります。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの26%が集中しています。
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