
世界は「関係」でできている 美しくも過激な量子論
カルロ・ロヴェッリ and 冨永 星
NHK出版 / 2021-10-29
この本について
日常で「相手にはそう見えているのに、自分にはまったく違う」と感じる瞬間ってありますよね。仕事でも私生活でも、同じ出来事のはずなのに食い違う。そのたびに、自分の見方がズレているのか、相手が特殊なのか、よくわからなくなることがあります。私はこのモヤモヤがずっと苦手でした。 この本が面白いのは、量子論という一見遠い世界の話が、「そもそも世界は一致しない前提で成り立っている」という視点をくれるところです。誰かにとっては現実でも、別の誰かにとっては現実じゃない。属性は物の中にあるのではなく、関係の中で決まる。こういう考え方に触れると、認識のズレを「間違い」ではなく「関係による差分」として受け止められるようになります。また、自分という存在ですら固定された実体ではなく、相互作用の集まりにすぎないという指摘は、悩みの輪郭を少しだけゆるめてくれました。 量子の専門知識がなくても、目の前の出来事をどう捉えるかが変わる本です。自分の見方に行き詰まりを感じている人にとって、静かに効く一冊だと思います。こんな人に刺さるのは、世界の捉え方を少しだけ組み替えてみたいと感じている人です。
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