
安達としまむら3 (電撃文庫)
入間 人間、のん
KADOKAWA / 2014-08-09
この本について
最近、昔のものを手放しすぎたかもしれない…とか、気づけば積み重ねてきたはずの時間をうまく思い出せない…みたいな感覚にふと襲われることがあります。忙しさに流されていると、過去と現在がうまくつながらなくて「じゃあ今の自分って何でできてるんだろう」と立ち止まりたくなる瞬間があるんですよね。 『安達としまむら3』の抜粋を読んで、まさにそこにざわっと反応した人は多いはずです。黄ばんだ本体の表面を見て自分の時間をふと思い出してしまう感じや、約束そのものより「守れない」のではなく「できない」ことが悲しい、というしまむらの感覚は、きれいごとじゃない日常の揺れをそのまま置いてくれます。読んでいて、こちらの心のどこかに放置していた段ボールを勝手に開けられたような気分になります。 この巻が効いてくるのは、過去が空白に見えるときに「それでも今の自分は確かに積み上がってきた」と静かに思い出させてくれるところと、人との距離感をうまく言葉にできないときに、安達としまむらのぎこちないやりとりがヒントになるところだと思います。大げさに人生を変えるようなタイプの本ではないけれど、気持ちの澱を一度かき混ぜてくれる力があります。 ものごとの思い出し方に自信がない人や、「今の自分が何でできているのか」を探している人には特に刺さるはずです。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの33%が集中しています。
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