
しゃぼん玉(新潮文庫)
乃南 アサ
ビーグリー
この本について
人と関わるのって、距離感がむずかしいときがありますよね。うまく話せないとか、相手のまなざしに耐えられないとか、どこまで踏み込んでいいのか分からないまま、気づけば自分だけ場に馴染めていない気がしてくる。私もよくその感覚に引っ張られます。 『しゃぼん玉』の抜粋を見ていると、まさにその「うまく溶け込めない側の視点」が丁寧に拾われているのが伝わってきます。耳が熱くなって視線を外せなくなる瞬間や、相手の笑いにどう返していいか分からない焦り。そういう“言葉にしづらい身体の反応”が物語の中でそっと描かれていて、自分の感情の扱い方を少し俯瞰できるようになるんです。また、村の人たちの素朴な会話に触れることで、「他人のあたたかさってこんなふうに滲んでくるんだ」と気づかされる場面が多い。さらに、家族の事情に翻弄される子どもの話が出てくることで、自分の「当たり前」が他の誰かには違う形をしていることにも気づかされます。 人との距離にいつも少し疲れてしまう人、あるいは自分の変化のきっかけを静かに探している人に刺さる一冊だと思います。物語としての力はもちろんありますが、それ以上に、自分の心がどこでつまずいていたのかをそっと照らしてくれる存在でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの40%が集中しています。
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