
ブギーポップは笑わない (電撃文庫)
上遠野 浩平 and 緒方 剛志
KADOKAWA / 1998-02-25
この本について
創作でも仕事でも、「どこまでやればいいんだろう」と手が止まる瞬間ってありますよね。自分の限界を測るみたいに作業量を区切ろうとして、でも区切ったところでしっくりこない。僕もずっとその感覚に振り回されてきました。 「ブギーポップは笑わない」を読むと、その迷いが少しだけ違う形に見えます。作中で語られる“どこまでじゃなくて、どこまでも”という姿勢は、勢いで突っ走れという話ではなくて、作品や行動の側に判断を委ねるという視点の転換なんですよね。自分が決める前に、手を動かしてはじめて分かる実感がある。さらに、物語の全貌を誰も見られないという一節は、日々の仕事で「自分の立場からしか世界が見えない」という閉塞感にもそのまま重なります。 そして、人は“普通”に留まることもできるけれど、そこから外れたいなら自分で歩くしかない、という静かなメッセージがじんわり効いてきます。誰かが代わりに戦ってくれるわけじゃなくて、でも笑うことだけは自分たちの役目なんだというラストの感触が、不思議と前に進む力になるんですよね。 迷ったままでも手を動かしたい人。自分の物語の外側が見えなくて立ち止まっている人。そんな人にこそじわっと刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの36%が集中しています。
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