
裏世界ピクニック4 裏世界夜行 (ハヤカワ文庫JA)
宮澤 伊織
早川書房 / 2019-12-19
この本について
人との距離感って、仕事でも私生活でも、ふとした瞬間にわからなくなることがあります。相手は好意的に近づいてきてくれているのに、こっちはどう反応すればいいのか見当がつかない。嫌じゃないのに、むしろ大事な相手なのに、急に子どもみたいに立ち止まってしまう。あの感覚に覚えがある人、多いんじゃないでしょうか。 『裏世界ピクニック4』の抜粋を見ていると、読者が反応しているのはまさにその“自分の未熟さに気づく瞬間”なんだと思います。怖いのは相手そのものじゃなくて、相手の気持ちを受け取る自信がないこと。頼りにしている相手から一歩深く踏み込まれたとき、どう振る舞えばいいかわからなくて固まってしまう。空魚の戸惑いは、裏世界の怪異よりもずっと身近で現実的です。 そのうえで、この巻が効いてくるのは、関係性のぎこちなさも笑える失敗も全部ひっくるめて「それでも隣にいること」を描いているところだと思います。ラブホ廃墟に二人で突っ込んでいく無茶な場面も、突然の直球すぎる好意表明も、空魚が逃げずに向き合おうとする過程として読むと、ちょっと気持ちが軽くなるんですよね。完璧じゃなくても関係は続くし、言葉を間違えたって取り返しはつく、みたいな感触があります。 人との距離がうまく測れず、自分だけ子どもみたいだと感じてしまう人には特に刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第7章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの33%が集中しています。
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