
太陽の棘 (文春文庫)
原田マハ
文藝春秋 / 2016-11-10
この本について
最近、何かをつくろうとすると、すぐに「自分の色って何だろう」と手が止まってしまうことがあります。仕事でも趣味でも、誰かの真似をしているだけじゃないか、と急に不安になるあの感じです。形にしたい気持ちはあるのに、足元ばかり気になって前に進めない。僕もよくそこでつまずきます。 『太陽の棘』の抜粋を読んでいると、そんな迷いに触れた指先をそっと軽くしてくれるような感覚がありました。たとえば「最初は誰かの真似をしたっていい」という一文は、やみくもに鼓舞するのではなく、ちゃんと現実を理解したうえで背中を押してくれる。さらに「なんにもなくなったんなら、また創ればいい」という言葉は、成果や肩書きに縛られて固まっていた思考を少しゆるめてくれるし、「誰にも似ていない、っていうのが大事」という視点は、焦らず育てていけばいいんだと時間の感覚まで整えてくれます。 戦後の沖縄で、芸術家たちがぎりぎりの環境でも目を輝かせながら何かを生み出そうとする姿が描かれていて、そのたくましさに触れると、自分の小さな不安も少しだけ扱いやすくなる。本気で迷っている人ほど、やさしく効く物語だと思います。 自分のペースで創作や仕事を続けたい人に刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの38%が集中しています。
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