
本日は、お日柄もよく (徳間文庫)
原田マハ
毎日新聞出版 / 2010-08
この本について
人前で話す場面って、慣れていないと妙に肩に力が入ったり、逆に何をどう始めたらいいのか迷ったりしますよね。僕も仕事でちょっとした挨拶をするだけで頭が真っ白になることがあって、「うまく話さなきゃ」と思うほど言葉が遠のいていく感じがありました。そんなときにこの本を読むと、視点が少しゆるむというか、「こういう始め方でいいんだ」と自然に思わせてくれるんです。 特に刺さるのは、静かに始めることの強さや、聞き手の心が受け取れる準備を待つ姿勢です。壇上に立って五秒、十秒と呼吸を整えながら「場が静まるのを待つ」というあの描写は、実際のスピーチというより、生き方そのものにも効いてくる感覚がありました。それに、言葉をカードのように受け渡していくという比喩も、誰かに何かを伝える場面が多い人ほど腑に落ちるはずです。うまく話すためのテクニックというより、言葉にどう心を乗せるのかを丁寧に教えてくれる作品なんですよね。 物語としても温かくて、変わることへの怖さや、人の話を聞くことの難しさにそっと寄り添ってくれます。背伸びせず、でもちゃんと届く言葉を持ちたいと思っている人に向いています。スピーチが苦手な人はもちろん、日々の会話や仕事のやり取りを少しだけ大事にしたいと思っている人に、静かに効いてくる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの72%が集中しています。
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