
具体と抽象
細谷 功
dZERO(インプレス) / 2014-12-07
この本について
仕事の話をしていて「なんでこんなに噛み合わないんだろう…」と感じること、けっこうありませんか。相手が悪いわけでも自分が間違っているわけでもないのに、どこかズレたまま議論が進んでしまう。僕自身、このモヤモヤを放置したまま過ごしてきた時期が長かったのですが、「具体と抽象」という視点を知ってから、状況の見え方が少し変わりました。 この本が面白いのは、抽象度の違いを“センスの話”ではなく、人間の思考の構造として扱っているところです。たとえば、おにぎりが「鮭のおにぎり」という具体をまとめた言葉であり、同時に「食べ物」という抽象に含まれる存在でもあるように、具体と抽象は相対的で、どのレベルで話しているかを意識しないと永遠にすれ違うという指摘。これを知ってから、会議で相手がどの段に立って話しているのかを意識するだけで、無駄な衝突がかなり減りました。また、難しい文章をあえて要約する行為そのものが、具体と抽象を往復するための訓練だという説明も腑に落ちます。たしかに、自分の考えがまとまらないときって、この往復がうまくできていなかったりします。 仕事の判断やコミュニケーションで「なんか全部細かすぎる人」「逆にふわっとしすぎる人」に挟まれて疲れがちな人にはとても静かに効く本です。抽象化をスキルとして扱うというより、自分と相手の見えている世界の“高さ”が違うだけなんだと受け止められるようになるところが、この本の一番の価値だと思います。
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多くの読者は第7章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの15%が集中しています。
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