
街道をゆく35
司馬遼太郎
株式会社朝日新聞出版 / 2009-04-30
この本について
仕事でも日常でも、自分の立っている場所の「当たり前」が、どれほど歴史に左右されているのか分からず、モヤっとすることがあります。価値観や習慣の違いにぶつかったとき、その奥の歴史的な理由までたどれたらな…と思うけれど、教科書的な説明だと腑に落ちない。そんなときにこの『街道をゆく35』の視点がけっこう効きました。 たとえば、オランダの国際性が育つ背景に、地名の成り立ちや堤防の文化、金融と製造業のバランスの崩れといった小さな事実が積み重なっていたり、玄白が刑場の解剖に立ち会って西洋医学の「現実」を知る瞬間があったり。歴史的な大事件よりも、そこにいた人の驚きや手触りのほうが、自分の仕事の判断や視野の持ち方に直結してくる感覚がありました。表面的な理解のまま「国の性格」や「文化の違い」を語るのが怖くなる一方で、世界を立体的に見る足場が少しできる感じがあります。 細かい事実を拾いながらも、人がどう迷い、どう学び、どう変わっていったかが静かに描かれているので、歴史の話なのに妙に実感が残ります。自分の思考のクセをほぐしたい人、異文化理解にモヤモヤしている人にはすごく刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第7章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの45%が集中しています。
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