
森 鴎外全集 決定版 全148作品 (インクナブラPD)
森鴎外
千歳出版
この本について
日々、人間関係や仕事の判断で「どこまで踏み込むべきか」「自分の感情は正しいのか」みたいな迷いがついて回ります。割り切れないまま動くしかないけれど、心のどこかにずっと引っかかる――そんなときに鴎外を読むと、不思議と肩の力が抜けました。 この全集にあるのは、立派な理想論ではなく、時代も立場も違う人間がそれぞれの矛盾と折り合いをつけながら生きていく姿です。兄弟が「何があっても離れるな」と言われても揺れる心、親子が互いのために無理をしながらも笑い合う時間、誰かを景仰しながらも畏れを抱く揺れ。そのどれもが、現代の私たちが抱える迷いと地続きに感じられます。 特に印象的なのは、人の好き嫌いに理由なんてほとんどないという冷静な視線や、たった一つの行為に悩み抜く人物の描写です。こういう場面に触れると、自分の悩みも「そういうものとして抱えながら進んでいい」と思えるようになるし、感情の細部に名前がつくことで気持ちが整理されていきます。 歴史や古語に抵抗がない人よりも、むしろ「人間の感情の揺れだけを静かに見たい人」に刺さる一冊です。今の自分の言葉に出来ない気持ちを、代わりに掬ってくれる場面がどこかにあります。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの34%が集中しています。
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