
統ばる島 (角川文庫)
池上 永一
KADOKAWA / 2015-05-23
この本について
仕事でも日常でも、自分の理解を軽く越えてくるものに出会うと、どう距離を取ればいいのか分からなくなる瞬間があります。整理できないまま放置して、気づいたら心だけが消耗している…みたいなこと、僕もよくあります。 『統ばる島』のこの抜粋が刺さるのは、まさに「人智を超えたものに触れたときのざわつき」をそのまま描いているからだと思います。人工物なら意味を拾えるのに、自然や神のような無作為さの前では、自分の思考が勝手に引っ張られていく。あのどうしようもなさに心当たりがある人は多いはずです。 この物語が効いてくるのは、世界を分かりやすく理解しようとする癖をいったん横に置いて、「分からないまま見る」という姿勢を取り戻させてくれるところです。登場人物たちが島の理不尽さと共存しようとする姿を追っていると、自分の生活の中の“説明のつかないこと”にも、少しだけ余白を残していいのかもしれないと思えてきます。それに、圧倒的な景色や不可思議な気配を言語化しようとする試みを読むだけで、世界の捉え方が微妙に更新される感覚があります。 「理解できないものとどう折り合うか」でよく迷う人には特に刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの100%が集中しています。
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