
ヒットの正体
山本康博
日本実業出版社 / 2014-05-10
この本について
仕事で新しい企画を考えるとき、「これ本当に刺さるのかな」とか、「自分の思い込みだけで走ってないか」と不安になることがよくあります。数字やフレームワークを並べても、どこか霧が晴れない感じが残るというか、結局“相手の世界”が見えていないまま判断している気がしてしまうんですよね。 『ヒットの正体』を読んで印象に残ったのは、商品をつくる前に“ターゲットを主人公にした短編小説を書く”という発想でした。単なるペルソナ設定ではなく、その人がどんな生活をしていて、商品とどう出会い、どこで文句を言うのかまで想像する。例えば「今日はいいこと言わないで、文句だけ言ってください」という視点転換は、普段の会議では絶対に出てこない観察を生むし、「なんでリアルゴールドが自販機にないのか」という現場の事情も、こうした物語思考なら拾えるんだと腑に落ちました。 この本が効くのは、企画やマーケティングを“自分の思考だけで閉じたくない人”だと思います。フリーミアムモデルのように、世の中の仕組みをどう受け止めるかを小説としてシミュレーションする話もあり、商品より“外の世界”を丁寧に描くことが結果的にヒット率を上げる、という考え方がすっと入ってきます。 数字よりも人の生活のリアルを見たい。そんな人には、静かに効いてくる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの55%が集中しています。
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