
「偶然」の統計学 (早川書房)
デイヴィッド J ハンド and 松井 信彦
早川書房 / 2015-08-21
この本について
日々生きていると、「なんでこんな偶然が起きるんだろう」とか、「自分だけ変な目に遭ってないか」といった、説明しにくいモヤモヤに足を取られることがあります。原因を探そうとしてもスッキリせず、ただ不安だけが残るあの感じ、けっこうしんどいですよね。 この本が面白いのは、そういう“不可解な偶然”を神秘的なものとしてではなく、淡々と「起こって当然のこと」として扱ってくれるところです。誕生日の一致の話みたいに、直感ではありえなさそうでも、機会の数が十分あれば起こる。そう言われると、自分の身に起きた出来事を過度に深読みしなくてよくなります。また、黒猫の例のように、私たちが「起きたことだけを見るクセ」を持っていると気づけるので、仕事や人間関係の判断でも少し落ち着いて考えられるようになります。 個人的には、物事の意味づけで疲れやすい人ほど、この本の距離感が合うと思います。偶然を軽視するのでも、大げさに扱うのでもなく、「そういうものだよね」と受け止めるための視点を静かに渡してくれる一冊です。こんな人に刺さると思います。自分の運不運の波にいちいち振り回されるのがつらい人。
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