
片づける 禅の作法 怒らない禅の作法 (河出文庫)
枡野俊明
この本について
最近、人間関係で余計な先入観に振り回されたり、家の中が散らかっているだけで気持ちまでざわついたりして、「なんでこんな小さなことで疲れるんだろう」と思うことがよくあります。頭では落ち着きたいのに、心のほこりみたいなものが勝手に溜まっていく感じです。 この本を読んで救われたのは、「何か特別な方法で自分を整える」のではなく、いま普通にやっている行為の中にヒントがある、と静かに示してくれたところでした。たとえば、朝にさっと掃除をすると姿勢まで整ってくる、という話。これは精神論ではなく、実際に生活の重心が変わる感覚があります。また、お守りを“守る”側に自分を置くという視点も、自分の行動を無理なく丁寧にしてくれるところがあって、ちょっとした選択の質が変わるんですよね。そして「おかゆを食べたら、器を洗え」という禅僧の話は、結局のところ日常の積み重ねが心を作るという、逃げ場のないけれど優しい教えとして響きました。 物を減らす話も出てきますが、それも“ストイックに手放す”というより、余計なものを見直すことで自分の可能性が息をし始める、という距離感です。頑張って変わろうとすると空回りする人ほど、この本の温度がちょうどいいと思います。 「落ち着きたいのに落ち着けない」「心が曇る瞬間が多い」そんな人に静かに効いてくる一冊です。
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