反哲学史 (講談社学術文庫)

反哲学史 (講談社学術文庫)

木田元

講談社 / 2000-04-10

累計読者数8
平均ハイライト数 93.5件/人
推定読了時間 約3時間10分
star総合評価 82/100
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この本について

仕事でも人生でも、自分の判断がどこから来ているのか分からなくなるときがあります。考えても考えても同じところを回っているような感覚というか、「内省しているつもりなのに、ぜんぜん前に進んでないな…」というあのモヤモヤです。僕もそこに長くハマっていたのですが、『反哲学史』を読むと、その停滞そのものの構造が少しだけ見えてきました。 この本が面白いのは、哲学の結論よりも、人間が世界とどう関わりながら“自分を知ってきたか”のプロセスが見えてくるところです。たとえばヘーゲルの「労働を通じて自己を知る」という発想は、机の上で悩むだけでは永遠に出会えない視点で、じっと内側を見つめるだけでは自己理解は深まらない、という冷静な指摘でもあります。また、対象に働きかけるときには、こちらも必ず変形を迫られるという話も、自分の仕事のしんどさの意味づけとして妙に腑に落ちました。さらに、歴史や社会のなかで主観がどう変わってきたのかを追うあたりは、いま自分が立っている前提そのものを疑うきっかけにもなります。 一気に答えが出る類の本ではありませんが、「反省だけでは埒があかないと感じている人」には静かに効きます。僕自身、思考の足場を少しずつ作り直すときに、そっと横から灯りを足してくれるような一冊でした。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

ニーチェによって粗描され、ハイデガーによって継承された「反哲学」は、西洋2500年の文化形成を導いてきた「哲学」と呼ばれる知の様式を批判的に乗り越えようとする企てである。この新しい視角を得れば、哲学の歴史も自ずからこれまでとは違って見えてくる。古代ギリシアから19世紀末にいたる哲学の道筋をたどり直す「反哲学史」。講談社学術文庫『現代の哲学』の姉妹編。
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