
ハムレット(新潮文庫)
ウィリアム・シェイクスピア and 福田 恆存
新潮社 / 1967-09-27
この本について
最近、考えすぎて動けなくなることが増えました。正しさを探すほど足がすくんだり、逆に勢いで動いてあとで後悔したり。頭と心のバランスをどうとるのか、そもそも自分はまともな判断ができているのか、そのあたりでずっとぐるぐるしています。 シェイクスピアの『ハムレット』は、そういう自分の迷いをそのまま舞台の上に放り出してくる作品でした。「情が時を制するか、時が情を制するか」と揺れ続ける感情も、「反省というやつが、いつも人を臆病にしてしまう」という自嘲気味の本音も、どれも他人事ではなくて、自分が普段ふたをしている迷いがそのまま言語化されている感じがします。過剰に考えると動けなくなるところもあれば、逆に無分別さが助けになる瞬間もある、と静かに示してくれるのが妙に現実的です。「神の指先で操られる笛にはならない」という一言は、状況に流されがちな自分を踏みとどまらせる感覚がありました。 この本が効くのは、人生の判断でいつも立ち止まってしまう人や、感情と理性の折り合いに疲れている人だと思います。正しい答えを教えてくれるわけではないのに、迷ってしまうことそのものが人間の自然な動きなんだと、どこか肩の力が抜ける。迷いながらでも進むしかない時に寄り添ってくれる一冊です。こんな人に刺さるはずです。自分の“ためらい癖”と一度ちゃんと向き合ってみたい人。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの19%が集中しています。
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