
守り人シリーズ電子版 3.夢の守り人
上橋菜穂子、二木真希子
偕成社 / 2007-07-01
この本について
生きていて、ときどきふと立ち止まってしまう瞬間がありますよね。自分の人生はこのままでいいのか、別の道があったんじゃないか、そんなことを考え始めると出口が見えなくなる。守り人シリーズの三作目を読み返していて、この揺らぎに静かに寄り添ってくれる言葉が多いのだとあらためて感じました。 登場人物たちは、「もっと別の暮らしがあるはずだ」という焦がれる思いを抱えたり、〈好きな自分〉を選ぶしかない分かれ道に立ったり、帝になることへの孤独に震えたりします。彼らは決して強いわけじゃなく、むしろ脆さや迷いを人より多く抱えている。そのぶん、読者の迷いにも自然と重なってくれるんです。夢を逃げ道にはできない現実の厳しさとか、誰かにとっては当たり前の人生が自分には重くのしかかる感じとか、そういう日常の息苦しさに、作品が少しずつ風を通してくれる。 とくに、別の人生を呪ったり、可能性を諦めたりしがちなとき、「それでもまだ知らないよろこびはあるんだよ」という語りが、押しつけにならずに響いてくるんですよね。すぐ役に立たないものを追いかけてしまう衝動や、身体にあまる魂の扱い方に悩む人には、とても相性がいいと思います。 自分の弱さごと生きていく方法を探している人に、静かに届く一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの27%が集中しています。
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