
はてしない物語 上 (岩波少年文庫)
ミヒャエル・エンデ, 上田 真而子, and 佐藤 真理子
岩波書店 / 2000-06-16
この本について
日常で、自分でもよく分からない不安にふりまわされたり、理由のない絶望に急にのみこまれたりすることってありませんか。うまく説明できないのに、気づくと自分で自分を追い詰めてしまうようなあの感覚です。頭では「大したことじゃない」と分かっているのに、思考が勝手に暴走してしまう時期が僕にもよくあります。 『はてしない物語』の抜粋を読むと、バスチアンがまさにその渦中にいることが伝わってきます。落第して、容姿をからかわれて、居場所を失ったような感覚のまま、どこに向かっているのか自分でも分からない。ただ、それでも何かに強く心をつかまれた瞬間だけは前に進める。こういう「説明できない熱中」に救われたことのある人は多いと思うし、エンデはその曖昧な心の動きを丁寧にすくっています。 僕にとってこの本が効いたのは、まず、自分の中の不安や絶望が“現実そのもの”ではなく、勝手に形を持ってしまった思い込みにすぎないかもしれない、と気づかせてくれたこと。そして、道に迷っているようにしか見えない時期でも、じつは大きな探索の途中なんだと、少しだけ視野を広げてくれたところ。さらに、熱中してしまう対象をうまく説明できなくても、それを大事にしていいんだと思えた点です。 「今は自信がないけど、どこかで物語の続きが動き出すと信じたい人」に刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの67%が集中しています。
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