
英語と日本軍 知られざる外国語教育史 NHKブックス
江利川 春雄
NHK出版 / 2016-03-25
この本について
仕事でも海外ニュースでも、相手の意図を取り違えてしまうことがあって、「結局、言語ってどこまで影響してるんだろう」と考え込むことがあります。勉強量の問題なのか、そもそもの“構え方”なのか、自分でもよく分からないまま手を動かしている感じです。 この本を読むと、言語を軽く扱った結果どれだけ判断がズレるのかが、歴史の具体例として示されます。たとえば日本軍が英語教育を縮減したままアメリカを正しく認識できずに突き進んだことや、一方でアメリカ軍は日本語教育に全振りして、母語話者を招いて少人数で徹底訓練していたこと。そこには「語学=実務に使える形で鍛える」という姿勢の差がはっきり出ています。読んでいて、自分が今どんな目的で言語を学ぼうとしているかを問い直されました。 もうひとつ刺さったのは、語学の不足が現地との意思疎通を妨げ、判断や行動を狭めてしまう場面の多さです。単なる学習論ではなく、環境づくりや組織の意思決定まで含めて“言葉をどう扱うか”が描かれていて、日常のコミュニケーションの詰まりにも思い当たるところが多いはずです。 歴史の話なのに、仕事で相手の意図を正しくつかみたい人や、語学を「なんとなく」勉強している自分に違和感がある人に、静かに効いてくる一冊だと思います。
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