
新装版 逆命利君 (講談社文庫)
佐高信
講談社 / 2010-07-15
この本について
仕事でも私生活でも、相手との話がどうも噛み合わない。言いたいことはあるのに、説明が長くなるほど伝わらなくなる。そんな状態が続くと、自分の立ち位置まで揺らぐことがあります。僕も同じで、「主張する」と「押しつける」の境目が分からなくなった時期がありました。 『逆命利君』に出てくるやり取りや手紙は、派手さはないのに、交渉や実務の場で何が効くのかをものすごく具体的に示してくれます。冒頭五分で用件を言い切ること、相手の言葉を借りて自己主張すること、妥協するときは論理の筋が通っているか必ず確認すること──どれも抽象論ではなく、明日からの仕事の空気を少しだけ変えてくれる実践ばかりです。特に、誤解を残さないために「要するに、こういうことですね」と自分からまとめに入る姿勢は、僕自身も救われた場面が何度もありました。 さらに、この本には「仕事を通してどう生きるか」という視点も静かに流れています。哲学で飯は食えないと言われがちな今でも、仕事に倫理や誇りを通す人がいる。その姿に触れると、結果を急ぐばかりで忘れていた軸が少し戻ってきます。 自分の言葉が相手に届かないと感じている人、そして働くうちにどこか心がすり減ってきたと感じる人には、静かに効いてくる本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第5章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの32%が集中しています。
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