
失敗の研究 巨大組織が崩れるとき (日本経済新聞出版)
金田信一郎
この本について
組織で働いていると、「なんでこんな指示が降ってくるんだろう…」「現場の状況、ほんとに見えてるのかな」と感じる瞬間があると思います。私も部署の狭間で板挟みになったとき、現場の疲弊とトップの焦りが、どこかすれ違ったまま加速していくような空気を何度も見てきました。 『失敗の研究』は、そのモヤモヤを“言語化してくれる”タイプの本です。大企業の不祥事を、感情論ではなく「組織がどう崩れていくのか」というプロセスで追っていくので、自分の職場で起きている小さな違和感とつながりやすいんですよね。トップが現場を見ずに数字だけを積み上げようとすると、現場は無理を重ね、やがて不信が渦巻き、誰も本音を言わなくなる。読んでいて、具体的な光景が浮かぶ場面が多かったです。 一方で、3Mのように「15%ルール」で自由な活動を許し、社員同士が有機的につながることで新しいものが生まれる話は対照的で、組織が息をする、というのはこういう状態なのかと腑に落ちました。また、トヨタの改善の仕組みのように、現場が全体像を理解し、自分の仕事の意味を把握しているからこそ改善が起きる、という視点も、日常の働き方にそのまま持ち込めると思います。 「現場の声はどこまで届いているんだろう」と日々感じている人に特に刺さる本です。組織を変えるための魔法を教えてくれるわけではありませんが、今どこで何が歪んでいるのかを掴むだけでも、少しだけ呼吸がしやすくなるはずです。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの50%が集中しています。
読書の順序
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