
希望の資本論 (朝日文庫)
池上 彰 and 佐藤 優
株式会社朝日新聞出版 / 2016-06-07
この本について
働いていると、ときどき「気づけば自分の視野が会社の論理に寄ってきているな…」と不安になることがあります。賃金の仕組みも、格差の話題も、ニュースの論調の違いも、どこか“自分ではコントロールできない大きな力”に動かされている感覚がある。でもその正体をうまく言語化できないまま流されてしまう。そんなモヤモヤを抱えることが僕にもあります。 『希望の資本論』は、その大きな力を「資本」という軸でいったん丁寧に見直す本です。難しそうに見えるのに、不思議と腹に落ちるのは、著者ふたりが歴史や思想の細かな部分までつなぎあわせながら、今の社会の動きを説明してくれるから。賃金がどこで決まっているのか、企業側と労働者側の論理がどうずれていくのか、新聞の論調の違いがなぜ生まれるのか。自分がどの視点に立っているのかを、自覚的に捉え直すきっかけになります。 それから、繰り返し語られるのが「見えない力にどう飲み込まれないか」。資本主義を肯定するでも否定するでもなく、ただ仕組みとして理解することで、感情ではなく構造で世の中を読めるようになる。僕自身、この視点を持てたことで、職場での判断やニュースの読み方が少し変わりました。 社会の動きに置いていかれている気がする人、自分の思考の“型”を持ち直したい人に刺さると思います。
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