
無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ 12 (MFブックス)
理不尽な孫の手 and シロタカ
KADOKAWA / 2020-03-23
この本について
仕事でも家庭でも、人との距離感でつまずく時ってありますよね。相手の気持ちは理解できるのに、自分の感情もうまく扱えなくて、言いすぎたり黙り込みすぎたり。あとになって「あの時どう振る舞えばよかったんだろう」と何度も反芻してしまう。僕も同じで、そんな時に物語の中のやり取りが妙に心に残ることがあります。 『無職転生 12』で描かれるのは、派手な冒険よりも、人間関係のゴツゴツした部分です。父と子が言葉を交わせないままぶつかり合う場面や、姉妹同士で正しさを押し付けてしまう瞬間、誰かが気まずさを察してそっと根回ししてくれる優しさ……そういう細かい感情の揺れが丁寧に描かれています。特に「言いすぎだ」と誰かを制しながらも、全員が不器用に相手を思っている感じに、自分の生活のどこかと重ねてしまう人は多いんじゃないかと思います。 そして、この巻の終盤で語られる「失敗しても終わりじゃない」という独白が、思っていた以上にじわっと効きます。何かをやらかした日の帰り道にふとよぎるあの重さが、少しだけほどけるような感じがするんです。大それた勇気じゃなくて、次の一歩ぶんの気持ちが戻ってくる。物語なのに、現実に戻るための呼吸を手伝ってくれるような位置にある一冊です。 人間関係のぎこちなさや、自分の未熟さにため息をつくことが多い人に、静かに刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの27%が集中しています。
読書の順序
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