
教科書になかった登山術 クライミングを楽しむための45の知恵
山岸 尚将
東京新聞出版局 / 2010-06-25
この本について
登っていると、技術書を読んでも「結局どこを気にすれば安全なのか」がぼんやりしたまま、現場で判断に迷うことってあります。ロープの扱いも支点の作り方も、それぞれ大事なのは分かっているのに、自分のやり方が本当に正しいのか確信が持てないまま進んでしまう感じです。僕も同じで、ちょっとした不安を放置したまま登っていた時期がありました。 この本は、そんな曖昧さをひとつずつ現場レベルに落としてくれるところがありがたいです。たとえば「ロープが切れる恐怖」に引っ張られがちな気持ちに対して、実際に何が危険なのかを冷静に示してくれたり、支点への衝撃の方がよほどリアルな問題だと分かると、判断の軸がスッと変わります。ロープを2本まとめて支点に通すかどうかの迷いも、状況ごとの理由まで説明されると、自分で選ぶ感覚が持てるようになります。さらに、林道でハーケンを打って練習する話のように、机上ではなく「どこで手を動かせば上達につながるか」を具体的に示してくれるので、読むだけで終わらないのがいいところです。 自分の登り方に一度ちゃんと向き合いたい人に刺さる一冊だと思います。知識を増やすというより、迷った時に判断を戻せる“軸”をつくるタイプの本です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの43%が集中しています。
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