
関ヶ原(中)(新潮文庫)
司馬 遼太郎
PHP研究所 / 2023-04-04
この本について
仕事でも人間関係でも、正しさだけでは動かない場面にぶつかることがあります。議論で詰めても相手が動かないとか、会議で妙案を出したつもりがうまく転がらないとか。頭では分かっているのに、現場ではどう振る舞えばいいのか迷うんですよね。僕もよくそこで立ち止まります。 『関ヶ原(中)』を読んでいて刺さったのは、家康や三成の戦い方が「性格」でも「天才」でもなく、もっと具体的な意思決定の積み重ねとして描かれているところでした。家康が衆議を装いながら部下の思考を鍛えていく場面や、疲れれば判断が鈍ると知って意図的に体力を管理する描写は、現代のチームマネジメントにもそのまま持ち込めます。逆に三成のように理を通しすぎて敵を増やす姿は、正しさを貫くほど孤立していく自分自身のことを見ているようでした。抜粋にもある「多弁は手の内を見せる」「道理を楯にすると敵を作る」という指摘は、気をつけないとすぐ再現してしまいそうです。 この巻は、歴史の大事件を読むというより「組織の中でどう動くか」を丁寧に考えさせられる読書でした。正義や才能よりも、状況の読み方や人の感情の扱い方が勝敗を分ける。その現実味が妙に心に残ります。正しさと現実の折り合いで悩みがちな人にこそ刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第8章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの17%が集中しています。
読書の順序
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