
「母と子」という病 (ちくま新書)
高橋和巳
筑摩書房 / 20161205
この本について
子どもの頃の家庭で感じていた緊張や、親との距離感のモヤモヤが、大人になっても残ってしまうことってあります。人との距離の取り方が急に分からなくなったり、頑張れているはずなのに心のどこかが常に落ち着かない。私自身、理由の分からない不安にずっと引っ張られてきた時期がありました。 『「母と子」という病』は、その正体を「性格」ではなく、もっと深いところにある親子の関係として丁寧にほどいてくれる本でした。甘えたくても最後にスッと拒まれ続けた子どもが、大人になっても緊張を抱えたまま生きてしまうこと。安心が足りなかった人ほど、世界を「不安」ではなく「期待」で見る感覚を持ちにくいこと。そして、表面的な努力や優等生的な頑張りでは埋まらない心の疲れがどこから来るのか。この本はそこを具体的なケースとともに見せてくれます。 読みながら、「ああ、自分のこの反応って、あの頃の延長だったのかもしれない」と静かに視点が反転する瞬間がありました。過去を責めるわけでも、親を悪者にするわけでもなく、ただ自分の心の現在地を知るための土台をくれる本です。特に、頑張れているのに生きづらさが抜けない人には深く届くと思います。 過去のどこかで取り残されていた感覚を、そっと言語化したい人に向いています。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第9章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの31%が集中しています。
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