
結物語 (講談社BOX)
西尾維新、VOFAN
講談社 / 2017-01-12
この本について
仕事でも人間関係でも、「自分だけ普通でいられない気がする」とか、「周りとうまく混ざれない」とか、そういうモヤモヤって定期的に湧いてきます。強がってみたり、逆に開き直ってみたりしても、根っこはあまり変わらないまま時間だけが過ぎていく感じがあります。 『結物語』の抜粋を読んでいて思ったのは、この物語は“異質さと折り合いをつける視点”がやけに具体的だということでした。ゴーレムだの人狼だの、設定だけ見れば荒唐無稽なのに、実際は「その前提でどう働くのか」「どう関わるのか」という等身大の関係性で描かれている。誰かの秘密や弱さを知ったとき、戸惑いながらも一歩引かずに対話できる主人公の姿勢が、やたら生活感を伴って迫ってきます。臥煙さんや風説課の面々を通して、“普通じゃなくても共同体に居場所はある”という感覚が、説教なしにじわっと伝わるんです。 あとは、人間であることそのものの頼りなさと強さが、甲賀葛の立ち位置から静かに浮かび上がるところも個人的には刺さりました。何者でもない自分が、だからこそ役割を持てる場面って確かにあるんだよな、と。 「自分の“違い”をどう扱えばいいか、まだよくわからない」という人には特に響くと思います。読んでいて、自分の輪郭を少しだけ許せるようになる物語です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの33%が集中しています。
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