
掟上今日子の備忘録(単行本版) 忘却探偵
西尾維新、VOFAN
講談社 / 2016-04-15
この本について
仕事でも人間関係でも、「自分は物語の端っこにいるだけなんじゃないか」と感じる時ってありますよね。場面の中心にいるわけじゃないのに、なぜか巻き込まれてしまう。判断を誤ったり、今日はやめておくか……と引き返したくなったり。その揺れを抱えたまま日々をこなしていると、自分の立ち位置がますます分からなくなることがあります。 『掟上今日子の備忘録』は、そんな“巻き込まれ側の視点”で読めるのが面白いところだと感じています。抜粋にも出てくるように、登場人物が「物語の中心にいない自分」を自覚しながら、それでも事件に関わらざるを得ない。その距離感が、現実の私たちの迷いとすごく似ていて、読んでいると変に安心するんです。それに、名探偵の存在を絶対視せず、「どう距離を取るか」「どう自分の判断を守るか」という発想がちらほら出てくるのも、日常に置き換えやすい部分だと思います。 特に、何かを証明する時に「別の場所でどう扱われているか」を見る姿勢や、好意的な相手よりも“予測できる相手”を選ぶという逆転の思考は、現実の対人関係にも意外と効きます。全部鵜呑みにする必要はないけれど、視点の切り替え方として持っておくと、周りに振り回されにくくなる感覚があります。 物語の中心にいない自分のままでも、ちゃんと進めればいい。そんな読み方をしたい人に刺さる一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの40%が集中しています。
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