
たった、それだけ (双葉文庫)
宮下奈都
双葉社 / 2014-11-16
この本について
人間関係でちょっとした一言に引っかかったり、相手の反応を深読みしすぎて自分でもよく分からなくなることってありますよね。謝られたらどうしていいか分からない、相手の「昂り」にどう向き合えばいいのか迷う。そういう微妙な温度差がずっと胸に残ることがあります。 『たった、それだけ』の抜粋に反応した人は、きっと「心が動いた瞬間」と「言葉として処理できない感情の溝」に共鳴したんだと思います。この小説は大事件が起きるタイプではなく、むしろ自分の感情の輪郭をそっとなぞるように読める物語です。そして読みながら、自分の中で「なんであのときあんな気持ちになったんだろう」という問いを自然とほどいてくれるところがあります。 効き方としては、まず、人との距離感が揺らいだときに、自分の感じ方を否定せずに持っていていいんだと思わせてくれます。そして、相手の言葉ではなく“余白”に目を向けられるようになるので、関係を急に結論づけなくて済むようになります。さらに、感情が昂ぶる場面そのものを、少し外側の視点から見られるようになるので、言葉を選ぶときの自分の癖にも気づきやすくなります。 こんな人に刺さると思います。相手のほんのわずかな反応に、自分の気持ちが振り回されやすい人。物語を読むことで、自分の内側の説明しにくい部分にそっと触れたいときに選ぶと、ちょうどいい温度の一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの50%が集中しています。
読書の順序
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