
日本語全史 (ちくま新書)
沖森卓也
筑摩書房 / 20170405
この本について
言葉って毎日使っているのに、どこまで「わかって」使えているんだろう…とふと思うことがあります。意味は通じるけれど、自分が話している日本語の正体がつかめないまま過ごしている感覚というか。そんなモヤモヤを抱えているときに読んで救われたのが『日本語全史』でした。 この本が面白いのは、「日本語はこうあるべき」と説くのではなく、むしろ揺れ続ける言葉の歴史を淡々と見せてくれるところです。万葉仮名が中国の用法を引き継いでいたこと、呉音と漢音が異なる地域・時代の中国語の発音に根差していること、あるいは「ごめんくださいませ」が大正期の新しい言い回しだったことなど、普段“正しい日本語”だと思っていたものが、じつは無数の偶然や変化の積み重ねでできていると気づかされます。そう思うと、自分が言葉に感じている違和感や言いよどみも、歴史の延長線上にある自然な揺れなのだと少し肩の力が抜けるんです。 特に、発音の変化や文法の移り変わりを具体的な事例で追っていくパートは、日常の「なんでこう言うんだろう?」が腑に落ちる体験につながりました。言葉に敏感な人ほど、静かに効いてくる一冊だと思います。こんな人に刺さるはずです──「日本語に興味はあるけど、専門書はちょっと…と距離を置いてきた人」。
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