
漢文の素養~誰が日本文化をつくったのか?~ (光文社新書)
加藤 徹
この本について
ふと「自分の使っている日本語って、どこまで自分のものなんだろう」と不安になることがあります。文化とかアイデンティティの話になると急に足元がぐらつく感じがして、結局いつも曖昧な理解のまま流してしまう。そんなモヤモヤを放置してきた人ほど、この本はしっかり噛み応えがあると思いました。 読んでいてまず驚いたのは、日本人が漢字や漢文をどう受け取ってきたかが、こんなに揺れ動いていたという事実です。呉音と漢音の派閥争いなんて、完全に現代の学閥ネタと地続き。外来の仏陀を「ホトケ」という日本語に変換して受け入れた感覚も、単なる歴史の話じゃなくて、僕らの言葉の奥にずっと残っている態度なんだと気づかされます。色の呼び分けの話なんて特に象徴的で、和語ではざっくりした世界が、漢語によって細かく輪郭づけられていく感じが妙にリアルでした。 もうひとつ印象に残ったのは、古代の日本が「文字をあえて取り入れなかったかもしれない」という視点です。言霊思想が理由だったという説明は、迷信と片付けるよりも、人が言葉に本気で力を見ていた時代の空気として読むと腹に落ちる。僕らがいま、言葉をどう扱うか迷うときのルーツがここにある気がしました。 日本文化の“源流”に興味はあるけれど、専門書の理屈っぽさはしんどい、そんな人に向いている本です。歴史を知るというより、自分の中の日本語の感覚をいったん外から眺め直すような体験ができます。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの24%が集中しています。
読書の順序
この本に似ている本
すべて見る arrow_right_alt書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more
出版社による紹介
BookNotion をお使いの方へ
この本の指標は、あなたの本棚でも見られます
このページで見ている読者数・精読度・完走率は、あなた自身の本にも表示できます。BookNotion をお使いなら、下のリンクを開くだけで自分のデータが出ます(ログイン操作は不要です)。
読んだ内容を、もう忘れない。
BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。
クレジットカード不要





