
本を読むのが苦手な僕はこんなふうに本を読んできた (光文社新書)
横尾 忠則
この本について
本を読むたびに「結局、何も残ってないな…」とか、「頭で理解しようとして余計に固まるな…」みたいな感覚、けっこうあると思います。僕も同じで、読書の時間さえ無駄に思えてしまう瞬間があります。この本を読んで救われたのは、そんな焦りや自己嫌悪そのものが“創作や思考の入り口”として扱われていたことでした。 横尾忠則さんは、読書も芸術も「わかろうとしすぎると逆に見えなくなる」と語ります。禅でいう“バカになる”感覚に近くて、頭で整理する前に、一度まっさらに沈む必要がある。その視点に触れると、理解できなかった作品や本との距離がすっと変わります。また、完成された絵を鑑賞しているのではなく、その裏に積もった“時間”を見ているという話も、読むことや創ることの意味を静かに揺らしてくれます。忘れてしまう読書でも、痕跡だけは確かに残っているのかもしれない、と。 さらに横尾さんが繰り返し触れる「個を普遍にする」という話も、日々の仕事や表現に悩む人には響くはずです。自分の私的な世界をそのまま出すのではなく、一旦手放して距離を置いたときに、初めて届く形がある。これは読書メモを書き続けている僕にも刺さりました。 自分の読み方や感じ方にずっと自信が持てなかった人に、静かに効く一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの21%が集中しています。
読書の順序
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