
乱読のセレンディピティ (扶桑社BOOKS)
外山 滋比古
この本について
本を読んでいるはずなのに、考える力がむしろ鈍っている気がすることがあります。知識は増えているのに、頭の中が重たい。歩いているとふっとアイデアが出るのに、机に向かうと何も出てこない。そんなモヤモヤに心当たりがある人には、この本の言葉がけっこう刺さると思います。 外山滋比古さんは「読むこと」そのものを、いったん生活の側から見直します。丁寧すぎる読みがかえって理解を曇らせたり、ゆっくりした言葉が情緒を育てる一方で、速さの中に知的な働きが宿ったり。読み方そのものが思考の質を左右するという指摘は、読書量が多い人ほどギクリとするはずです。さらに、知識を詰め込みすぎると頭が“知的メタボ”になるという話は、自分でも覚えがあって苦笑いしました。忘却によって記憶が代謝されるという視点も、読みっぱなしの自分をそっと救ってくれます。 そして何より、乱読の面白さ。専門書ばかり追うと頭は模倣的になり、むしろ軽い気持ちで読んだ本や、たまたま手に取った一冊の方に新しい発想が宿る。外山さんが繰り返し語るこの感覚は、「効率よく読まなきゃ」と肩に力が入っていた自分をほどいてくれました。 ジャンルに縛られて行き詰まりを感じている人、読んでいるのに考えが広がらないと悩む人に、静かに効いてくる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの15%が集中しています。
読書の順序
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