
乱読のセレンディピティ【文庫電子版】 (扶桑社BOOKS文庫)
外山 滋比古
この本について
本を読むほど混乱して、知識が増えているのか思考が深まっているのか、よくわからなくなるときがあります。積ん読が増えるほど「ちゃんと読まなきゃ」という気持ちが重くなって、読む楽しさそのものが遠ざかってしまう感じです。僕もずっとその悩みに付き合っています。 外山滋比古さんの『乱読のセレンディピティ』は、その重さをふっとゆるめてくれる本でした。まず、「本は風のように読むのがよい」という考え方が、肩の力を抜くきっかけになります。じっくり味わう読書も大事だけれど、のろのろ読んでいると、ことばの勢いそのものが死んでしまうという指摘は、読み方の罪悪感を自然とほどいてくれます。また、「知識と思考は二者択一の関係になる」という話は、読めば読むほど焦る気持ちに、別の視点を差し込んでくれます。覚えていなくてもいい。忘却にも役割がある。そう言われると、本との距離の取り方が変わってきます。 さらに印象的なのは、読者は本の家来ではなく「年下の友人」として接すればいい、という姿勢です。こう構えると、難しそうな古典でも、多少つまらない本でも、こちら側の発見が生まれやすくなる。乱読という行為そのものが、偶然の出会いに開かれた態度だと気づけます。 ひとつの正解より、読んだ先で芽生える小さな気づきを大事にしたい人に刺さる本です。私自身、読み方に迷ったときに何度も思い出している一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの21%が集中しています。
読書の順序
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