
21世紀の自由論: 「優しいリアリズム」の時代へ (佐々木俊尚)
佐々木俊尚
この本について
社会の議論を見ていると、「なんでこんなに噛み合わないんだろう…」と感じることが多いですよね。論理で説明されても心が置いていかれたり、逆に“情”だけが暴走しているように見えたり。自分もその間に挟まれて、どこに立てばいいのかよくわからなくなる時があります。 この本が効くのは、そういう“立つ場所のなさ”に少しだけ輪郭をつけてくれるところです。たとえば、外側に立ったつもりで社会を批判しても、その立ち位置自体が幻想かもしれないという指摘にはハッとしますし、白黒ではなくグレーをどう扱うかがこれからの戦略になるという話は、日々の判断にもそのまま持ち込めました。また、「自由は不安を招く」という言葉には、選択の多さに疲れていた自分の感覚を言語化されたような安心がありました。 大げさに世界観を変えてくれる本ではないですが、自分の中で曖昧だった政治や社会の見え方が、少し現実的な位置に戻ってくる感じがあります。議論に巻き込まれてしんどい人や、「どの立場にもピンとこない」と感じている人にはとくに刺さると思います。 肩肘張らずに読めるわけではないけれど、いまの時代の空気を、自分の生活感に接続しながら理解したい人にはちょうどいい一冊でした。
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