
「悟り」は開けない (ベスト新書)
南直哉
ベストセラーズ / 2017-07-07
この本について
「自分の居場所ってどこなんだろう」とか、「好きなことを軸に生きろと言われても正直よく分からない」とか、そんな曖昧な不安を抱えたまま日々を回している人は多いと思います。僕自身も、何か大きな答えを求めては空振りし続けてきたタイプで、この本に出会ったときも “悟れるわけないしな…” と半信半疑でした。 でも読んでみると、この本は悟りのテクニックを教えてくれる類のものではなく、「そもそも人間は最初から不安を抱えた存在なんだ」というところから話を始めます。そこが、妙に腑に落ちました。居場所のなさは自分が弱いからではなく、構造そのものなんだと理解できると、無理に意味づけしようとする焦りが少しゆるむんですよね。そして、「好きなこと」よりも「嫌ではなく、誰かの役に立つこと」を基準に動く方が、実は現実的かもしれないという視点も静かに効いてきます。 もうひとつ印象に残ったのは、善や自由といった大きな言葉を、観念ではなく行為として捉え直す姿勢です。誰かの役に立とうと自分で決めたときにだけ善が立ち上がる、という話は、日々どう振る舞うかの基準を少し変えてくれました。立派な目標がなくても、今日やれることを続ける中でしか道は開けない。その淡々としたリアリズムが、疲れきった頭にはちょうど良かったです。 大きな答えよりも「今の自分がどう動くか」を考えたい人に刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第9章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの27%が集中しています。
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