
果てなき渇望 ボディビルに憑かれた人々
増田 晶文
この本について
仕事でも日常でも「どこまで頑張るのが正解なのか」と考え込むことがあります。周りから見える“行為”と、自分の内側の“理由”のズレが気になって、踏み込みきれなかったり、逆にやりすぎて自分を持て余したり。そんな揺れの中で、この本は妙に落ち着くところに刺さってきました。 『果てなき渇望』は、ボディビルという極端な世界を追いかけたノンフィクションですが、筋肉ではなく「人が自分の身体をどう扱うか」という視点で読むと、急に身近になります。例えば、過度な減量から普通の食事に戻った瞬間に皮膚が割れる描写や、ステロイドの副作用で胸が変形していく過程は、努力やこだわりがどこまで人を連れていくのかを生々しく映し出します。身体の変化に合わせて自意識が肥大していくあたりも、「ああ、やっぱり行為と内面はつながっているんだよな」と腹に落ちました。 読んでいると、努力を積み重ねることの光と影が等しく描かれていて、自分の“がんばり癖”をどう扱うかのヒントにもなります。限界値の話や、パーツごとに理想を追い込むトレーニーの声を聞いていると、完璧さってどれだけ主観的かがよくわかるし、「じゃあ自分はどこで折り合いをつけたいのか」を考える余白が生まれます。 極端な世界を通して、自分のこだわりや欲の輪郭を見直したい人に刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの30%が集中しています。
読書の順序
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