
帳簿の世界史 (文春文庫)
ジェイコブ・ソール and 村井 章子
この本について
仕事でも家でも数字を扱う場面が増えているのに、「なんとなく全体像がつかめない」「判断の根拠が曖昧なまま進んでしまう」みたいなモヤモヤってありますよね。私も会計の知識はそれなりに触れてきたつもりでしたが、いざ意思決定に使おうとすると、どこか自信が持てないままでした。 『帳簿の世界史』は、その不安を“勉強して埋める”というより、“そもそも会計とは何のためにあるのか”を歴史の中で具体的に見せてくれる本です。アラビア数字が使われるようになった北イタリアで、商人たちが共同出資の利益配分を管理するために複式簿記を発達させたこと。帳簿を公開するという行為が責任そのものを意味していたこと。さらに、会計文化を失った国は財政を維持できず衰えていったこと。本を読み進めるほど、「数字を整える行為」は単なる管理作業ではなく、意思決定の自由度を守るための文化なのだとわかってきます。 私自身、この本のおかげで、数字を見るときに「いま何の関係性を確認しようとしているんだっけ」と立ち止まれるようになりました。会計が日常から切り離されると人は判断できなくなる、という指摘はかなり刺さりました。 自分の仕事を“つながり”として捉え直したい人に向く一冊だと思います。
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